2階にトイレを増設したい方必見!費用・工法から排水問題の解決法まで徹底解説

「2階にトイレがあったらいいのに…」と思ったことはありませんか?深夜に階段を下りて1階のトイレまで行くのは面倒なだけでなく、高齢者や体調不良時には危険も伴います。また、来客時に1階のトイレが使用中で待たなければならない状況も避けられるでしょう。
近年、住環境の改善やライフスタイルの変化により、2階へのトイレ増設需要が高まっています。しかし、多くの方が「費用の問題」や「排水の問題」を理由にトイレ増設を諦めてしまうのが現状です。実際、排水管の設置は構造上の制約や大掛かりな工事が必要となることが多く、ハードルが高いと感じる方は少なくありません。
この記事では、2階トイレ増設のメリット・デメリットから費用相場、そして最大の課題とされる「費用の問題」「排水の問題」の解決法まで、トイレ増設に関する情報を徹底的に解説します。
2階トイレ増設のメリット
日常生活の利便性向上
2階にトイレを増設することで得られる最大のメリットは、やはり日常生活の利便性向上です。特に夜間、階段の上り下りをせずにトイレを使用できることは、思った以上に生活の質を高めます。実際に筆者の家(戸建て)にも2階のトイレが設置されていますが、睡眠途中で目が覚めてトイレに行く際や、2階でリモートワークをしている際などに多用しており、1階にわざわざ降りる生活は非常に不便だろうと想像します。
高齢化に備えた将来的なメリット
将来的な視点でも、2階トイレの存在は大きな価値があります。加齢とともに階段の上り下りが負担になってくると、1階のトイレまで行くことが困難になる場合があります。2階にトイレがあれば、将来的な住環境の不安要素を一つ取り除くことができます。


来客時や多人数家族の場合の便利さ
複数の来客がある場合や、家族の人数が多い家庭では、1つのトイレでは不便を感じることがあります。2階にもトイレがあれば、トイレの使用で待つ時間が減り、ストレスのない環境を提供できます。筆者もよく子どもとトイレのタイミングがバッティングするため、各階にあり非常に助かっています。

資産価値の向上
住宅の資産価値という観点でも、2階トイレの存在は評価ポイントとなる可能性があります。将来的に家を売却する場合や賃貸に出す場合でも、各階にトイレがある住宅は需要が高く、資産価値の維持・向上につながる可能性があります。
2階トイレ増設のデメリット
設置・維持コストの負担
トイレ増設には初期費用だけでなく、水道代や清掃などの維持コストも発生します。使用頻度が低いことが想定される場合は、費用対効果を考える必要があるでしょう。
スペースの減少
2階の限られたスペースにトイレを設置することで、居住スペースや収納スペースが減少します。特に小さな住宅では、この影響を慎重に検討する必要があります。
水漏れや騒音などのリスク
2階にトイレを設置すると、水漏れが発生した場合の被害が1階にも及ぶリスクがあります。また、夜間の使用による排水音が階下に響く可能性もあるため、防音対策も考慮すべきでしょう。
排水管工事の大掛かりさ
従来の工法では、2階から排水管を通すために壁や床を大きく解体する必要があり、工事が大掛かりになりがちです。このため、費用と工期が増大し、工事中の日常生活への影響も大きくなります。
構造上の制約による実現の難しさ
住宅の構造によっては、排水管の設置が物理的に困難なケースもあります。特に古い住宅や特殊な構造の住宅では、増設が技術的に不可能な場合もあることを理解しておきましょう。
工事費用の目安
基本的な工事費用の相場
2階トイレ増設の費用相場は、工法や設備の選択によって大きく異なりますが、一般的な目安は、50〜100万円程度となります。
追加オプション別の費用
基本工事に加えて、以下のオプションを選択する場合は追加費用が発生します:
- 高機能トイレ(温水洗浄便座など):+5〜30万円
- 手洗い器設置:+3〜8万円
- 壁・床の高級仕上げ材:+5〜15万円
- 換気扇・暖房設備:+2〜5万円
費用に影響する要因
工事費用に影響を与える主な要因は以下の通りです:
- 住宅の構造と築年数
- 既存の給排水管からの距離
- 工事の難易度(壁・床の解体範囲)
- 選択するトイレの種類と機能
- 仕上げ材の品質
工事の種類と方法
給排水管の確保方法
給排水管の確保方法は大きく分けて2つあります:
- 既存配管の利用:既存の排水管に接続できる場合は工事が比較的容易です。主に浴室や洗面所と言った水まわりの近くにトイレを設置する場合に採用されます。
- 新規設置:既存の排水管が利用できない場合は、新たに排水管を設置する必要があります。この場合、壁や床を大きく解体する工事となり、費用と工期が増大します。
スペースの確保方法
2階トイレのスペース確保には、以下のような方法があります:
- 収納スペースの転用
- 廊下の一部を利用
- 子供部屋や寝室の一部を区切る
2階トイレ増設時の課題
排水管の確保の難しさ
2階トイレ増設の最大の課題は排水管の確保です。既存の建物に新たに排水管を通すには、壁や床を大規模に解体する必要があり、技術的にも難しい作業となります。
コストと工期の問題
排水管工事は専門技術を要するため費用が高額になりがちです。また、工期も長くなることが多く、その間の生活への影響も無視できません。
構造上の制約
住宅の構造によっては、そもそも物理的に排水管を通せない場合もあります。特に、梁や柱の位置、階下の天井高などが制約となり、設置をあきらめざるを得ないケースもあります。
しかし、こうした課題を解決する方法が存在します。次に紹介する「排水圧送ポンプ」は、これらの問題に対する有効な解決策となるでしょう。
排水圧送ポンプによる解決策の紹介
排水圧送ポンプとは
排水圧送ポンプとは、モーター駆動によるポンプで強制的に水を送り出すことで排水を実現します。薄型設計・省スペース・低価格・短工期で、あらゆる場所にトイレを簡単に設置できます。
トイレの排水方式として、重力により排水管へ排水を誘導する方式(自然排水)が一般的です。しかし、前述のとおり、後から2階にトイレを増設する場合には、太い配管が通らない、もともと設置されている配管までの距離が遠い、床下工事ができない等の理由により自然排水が困難なことも多く、トイレの増設を諦める方も多いと考えています。
このような自然排水が困難な場所でも、排水圧送ポンプにより排水を物理的にコントロールすることで、既存の壁や床を大きく解体せずに設置できます。
従来工法との比較
排水圧送ポンプを使用するメリットは以下の通りです:
- 工期短縮:従来工法の1/2〜1/10程度に短縮可能
- コスト削減:大規模な解体工事が不要なため、費用を30%〜70%程度削減できる場合がある
- 構造への影響軽減:壁や床の解体範囲が最小限で済むため、建物の構造への影響が少ない
- 設置場所の自由度向上:排水管の制約が少ないため、設置場所の選択肢が広がる
項目 | 従来工法 | 排水圧送ポンプ |
排水管径 | 75〜100mm | 20〜25mm |
工期 | 7〜14日程度 | 1日〜5日程度 ※半日で終わる場合も |
解体範囲 | 壁・床の大規模解体 | 最小限の開口 |
設置可能場所 | 既存排水管近くに限定 | 比較的自由に選択可能 |
様々なタイプのトイレ設備との組み合わせ
排水圧送ポンプは以下のようないわゆる一般的に販売されているトイレと組み合わせることができます:
- 洋式トイレ(一般的な床排水タイプ)
- タンクレストイレ
- 小型・省スペースタイプのトイレ
設置場所の自由度が高まることの具体例
排水圧送ポンプを使用することで、従来なら設置が困難だった以下のような場所にもトイレを設置できるようになります:
- 浴室やキッチンから離れた位置
- 収納スペースを転用した小さなスペース
- 窓側の部屋(採光・換気の良い場所)
- 階段付近の空きスペース
参考事例
住宅の物置スペースに新たにトイレを増設
使用頻度の低かった個人邸の物置スペースを、トイレとしてリフォームした事例です。


【課題】物置スペースから既存の排水管まで距離があったため、そこまで配管を伸ばすには大がかりな工事が必須。
【結果】SFA排水圧送ポンプ「サニアクセス3」の導入によって、配管工事をせず最小限の工事のみでのリフォームに成功。
その結果、時間と経費を節約して物置スペースをトイレにリフォームできました。
受託の2階の収納スペースにトイレを増設
2世帯住宅で、トイレは1階に1つしかなく困っていた事例です。

【課題】2階にトイレを増設したいが、排水勾配が取れず大掛かりな施工の必要。
【解決策】SFA排水圧送ポンプ「サニアクセス3」を採用することで、使用していない収納スペースをリフォームし、わずか1日で簡単にトイレを増設。
その結果、1階まで毎晩トイレに行くことに苦労されていたご高齢の方が、快適に過ごせるようになりました。
まとめ
2階へのトイレ増設は、日常生活の利便性を大きく向上させる価値ある投資です。従来、最大の障壁とされてきた排水問題も、排水圧送ポンプの活用によって解決できるケースが増えています。
排水圧送ポンプを使用することで:
- 工期の短縮
- コストの削減
- 設置場所の自由度向上
- 建物への影響の最小化
といったメリットが得られ、これまでトイレ増設を諦めていた方にも新たな選択肢が生まれました。
トイレ増設を検討されている方は、住宅の構造や状況によって最適な方法は異なりますので、専門家の意見を聞きながら検討を進めましょう。
快適な住環境づくりの第一歩として、2階トイレ増設を真剣に検討してみてはいかがでしょうか。