2階にミニキッチンを設置する方法と注意点を徹底解説

2階にミニキッチンを設置する方法と注意点|設置費用・工事内容・排水対策まで徹底解説

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はじめに

昨今、在宅ワークの普及や二世帯住宅の増加に伴い、2階にミニキッチンを設置したいという要望が増えています。朝食の準備や来客時のもてなし、仕事中の軽食作りなど、1階のメインキッチンまで降りることなく、2階で簡単な調理ができれば非常に便利です。

しかし、既存住宅の2階にミニキッチンを後付けで設置するには、排水の問題をクリアする必要があります。「工事が大掛かりになるのでは?」「費用はどの程度かかるの?」「本当に設置できるの?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

本記事では、2階ミニキッチンの設置を検討している方に向けて、メリット・デメリットから具体的な工事内容、費用感、そして排水問題を解決する最新技術まで、実用的な情報を詳しく解説します。

目次

  1. 2階ミニキッチンのメリット・デメリット
  2. 2階ミニキッチン設置の課題と解決方法
  3. 2階ミニキッチンの種類と選び方
  4. 設置工事の流れ
  5. SFAの排水圧送ポンプ
  6. 関連事例
  7. まとめ

1. 2階ミニキッチンのメリット・デメリット

1.1 メリット

日常生活の利便性向上 2階にミニキッチンがあることで、飲み物や軽食の準備が気軽にできるようになります。特に在宅ワーク中のコーヒーブレイクや、深夜の作業時にちょっとした食事を作りたい時に、わざわざ1階まで降りる必要がありません。

来客時のもてなしの充実 2階にゲストルームがある場合、お客様に温かいお茶やコーヒーをすぐにお出しできるようになります。また、長期滞在のお客様にとっても、気を遣わずにちょっとした飲み物を作れる環境は非常に喜ばれます。

二世帯住宅での独立性確保 親世帯と子世帯が同居する二世帯住宅において、2階にミニキッチンがあることで程よい距離感を保てます。食事の時間帯が異なる場合や、それぞれの好みに合わせた調理をしたい時に重宝します。

家事動線の効率化 洗濯物を2階で干す家庭が多い中、ミニキッチンがあれば洗濯の合間に飲み物を作ったり、簡単な食事を準備したりできます。階段の上り下りが減ることで、日々の家事がより効率的になります。

1.2 デメリット

初期設置コストの負担 ミニキッチン本体の費用に加えて、給水・排水・電気工事が必要になるため、ある程度まとまった費用が必要です。特に排水工事は通常は専門的な技術が必要で、工事内容によってはコストが高額になる場合があります。

排水・給水工事の複雑さ 既存住宅への後付け設置では、配管ルートの確保が最大の課題となります。特に排水は重力による自然流下が基本となるため、適切な勾配を確保することが困難な場合があります。

メンテナンス性の課題 2階の設備は1階に比べて点検やメンテナンスがしにくく、配管トラブルが発生した際の対応が複雑になることもあります。また、設備機器の交換時には搬入経路の確保も課題となります。

騒音への配慮 深夜や早朝の使用時には、下階への騒音に配慮する必要があります。特に給水時の音や排水時の音は意外と響くため、防音対策も検討する必要があります。

2. 2階ミニキッチン設置の課題と解決方法

2.1 最大の課題:排水問題

2階にミニキッチンを設置する際の最大の課題は、排水の問題です。通常、排水は重力を利用して下方向に流れるシステムとなっており、適切な排水勾配を確保する必要があります。例えば、排水設備設計施工基準(平成9年9月29日 要領第11号)によると、炊事場の排水勾配は3/100以上との記載があります。

参考:排水設備設計施工基準(平成9年9月29日 要領第11号),https://www1.g-reiki.net/urugi/reiki_honbun/v000RG00000441.html#shoshi-inf-span)

しかし、2階から排水本管まで配管を通すには、床下や壁内の複雑なルートを経由する必要があり、十分な勾配を確保することが非常に困難です。特に既存住宅の場合、構造上の制約により理想的な配管ルートを確保できないケースが多くあります。

2.2 従来の解決方法とその問題点

大掛かりな床下配管工事 従来の方法では、2階の床を広範囲にわたって解体し、床下に排水配管を新設する工事が一般的でした。しかし、この方法では工事期間が長期化し、費用も高額になります。また、既存の構造材や設備配管との干渉により、計画通りに工事が進まないリスクもあります。

床のかさ上げによる段差発生 配管スペースを確保するために床をかさ上げする工事も一般的に行われます。この場合、室内に段差が生じてしまいます。この段差は日常生活の妨げになるだけでなく、高齢者の転倒リスクを高める要因にもなります。

高額な工事費用と長期工期 床の解体・復旧、配管工事、防水工事など、多岐にわたる作業が必要となるため、工事費用は従来工法の場合は、数十万円から場合によっては100万円以上になることもあります。また、従来工法の工期も数日以上かかることもあり、その間の生活への影響も考慮する必要があります。

2.3 現代的な解決方法:排水圧送技術の活用

近年、これらの課題を解決する画期的な技術として、排水圧送ポンプが注目されています。この技術により、従来では困難とされていた2階ミニキッチンの設置が、最小限の工事で実現可能になりました。

排水圧送ポンプは、汚水や雑排水をポンプの力で圧送するシステムで、重力による自然流下に頼らない排水が可能です。これにより、配管の自由度が大幅に向上し、美観を損なうことなく効率的な排水ルートを確保できます。

3. 2階ミニキッチンの種類と選び方

3.1 コンパクトキッチンの種類

電子レンジ台付きミニキッチン コンパクトなキッチンに、シンク、IHクッキングヒーター、電子レンジ置き場、収納スペースが一体となったタイプです。本格的な調理も可能で、二世帯住宅のサブキッチンとして最適です。

IHクッキングヒーター付きタイプ シンクとIHクッキングヒーターのみのシンプルな構成で、簡単な調理と飲み物の準備に特化しており、在宅ワーク用途にぴったりです。

流し台のみのシンプルタイプ シンクと水栓のみの最もシンプルなタイプ。飲み物の準備や簡単な洗い物が主目的の場合に適しています。

3.2 選定のポイント

使用目的に応じたサイズ選択 日常的にどの程度の調理を行うかによって、必要な設備と サイズが決まります。コーヒーやお茶の準備が中心なら流し台のみでも十分ですが、軽食作りも考えるならIH付きタイプがおすすめです。

メンテナンス性の考慮 2階の設備は点検やメンテナンスがしにくいため、信頼性の高い製品を選ぶことが重要です。また、故障時のサポート体制が充実しているメーカーを選ぶことも大切なポイントです。

4. 設置工事の流れ

4.1 工事の基本的な流れ

1. 現地調査・設計 まず、設置予定場所の寸法測定と既存配管の確認を行います。給水・排水ルートの検討、電気容量の確認など、詳細な設計図面を作成します。この段階で工事方法と費用が確定します。

2. 給水配管工事 給水本管から2階設置場所まで給水配管を新設します。配管ルートは美観を損なわないよう、床下や壁内を通すのが一般的です。給水圧を確保するため、必要に応じて加圧ポンプも設置します。

3. 排水設備工事 従来工法の場合は大掛かりな床下工事となりますが、排水圧送ポンプを使用する場合は最小限の工事で済みます。ポンプユニットをキッチン下部に設置し、細径配管で既存排水管まで接続します。

4. 電気工事 キッチン設備用の専用回路を新設します。IHクッキングヒーターを設置する場合は200Vの電源が必要になることもあります。

5. キッチン本体設置 すべての配管・電気工事が完了した後、キッチン本体を設置します。接続確認と動作テストを行い、問題がなければ工事完了です。

4.2 工期について

従来工法の場合 床の解体から復旧まで含めて2日程度~の工期が必要です。ただし、配管ルートが複雑な場合や、構造上の制約がある場合は更に時間がかかることもあります。

排水圧送ポンプ使用時 大掛かりな床工事が不要なため、半日程度~の工事が必要です。生活への影響を最小限に抑えながら、効率的にミニキッチンを設置できます。

5. SFAの排水圧送ポンプ

5.1 排水圧送ポンプとは

SFAの排水圧送ポンプは、フランス発祥の革新的な排水システムで、世界累計1000万台以上の導入実績を持つ信頼性の高い技術です。65年の歴史と世界70カ国での豊富な導入経験により、様々な排水課題に対する実証済みのソリューションを提供しています。

5.2 技術的特徴

自由度の高い納まり 細径配管(20-25mm)でも確実な圧送が可能なので、配管の自由度が大幅に向上します。

優れた圧送能力 100Vの機種でも最大垂直揚程3~8m、水平距離30~80mまでの圧送が可能なため、(詳しくはぜひカタログにて各機種の能力曲線にてご確認ください)、複雑な配管ルートにも対応できます。これにより、美観を損なうことなく効率的な排水システムを構築できます。

省スペース設計 床工事を最小限に抑える小型設計により、既存住宅への後付け設置が容易になります。大掛かりな改修工事を行うことなく、スマートにミニキッチンを設置できます。

5.3 2階ミニキッチンに最適な製品例

雑排水に特化した小型ポンプなど、用途に応じた様々な製品が用意されています。ミニキッチンの場合は、基本的にはサニスピードプラスが適しています。キッチンシンクの下部に設置可能な小型設計で、手洗器やシャワーユニットとの複数接続にも対応しており、将来的な設備拡張も考慮した柔軟なシステム構築が可能です。

5.4 設置のメリット

工事の簡素化 大掛かりな床下配管工事が不要となり、工期を従来の1/4以下に短縮できることもあります。これにより、工事費用の削減と生活への影響最小化を同時に実現できます。

設計の自由度 細径配管による自由度の高い配管ルートにより、美観を保持しながら効率的なシステムを構築できます。既存の構造を大きく変更することなく、理想的なミニキッチンを設置できます。

安心のサポート体制 24時間対応のメンテナンス体制により、万一のトラブル時も迅速な対応が可能です。長期にわたって安心してお使いいただけます。

6. 関連事例

在宅ワーク用として2階の仕事部屋にシンクのみの設置や、二世帯住宅でのIH付きミニキッチンの設置など、お茶の提供や簡単な食事等の様々な用途で活用されています。排水圧送ポンプの採用により、いずれも最短1日〜の短期間で工事が完了し、床の大幅な改修を行うことなく設置が実現できています。

以下、個人宅ではないですが関連する事例を紹介します。

7. まとめ

2階へのミニキッチン設置は、従来は排水問題により非常に困難とされていましたが、排水圧送ポンプにより現実的な選択肢となりました。在宅ワークの普及や多様化するライフスタイルに対応するため、これからもこうした需要は増加していくと予想されます。

重要なのは、用途に応じた適切な設備選択です。特に排水システムは長期にわたって使用するものですから、実績のある技術と充実したサポート体制を持つシステムを選ぶことが、快適な住環境実現への近道となるでしょう。

2階ミニキッチンの設置をご検討されている方は、ぜひご相談ください。

8.関連記事

SFAの排水圧送ポンプとは

高速回転刃

トイレからの汚水に含まれる排泄物とトイレットペーパーをポンプ内の高速回転する刃で細かく粉砕します。

圧送ポンプ

細粒化された汚水をポンプで圧送。小口径の排水管で汚水を排水主管まで圧送します。

point

  • ポンプからの吐出排水管が20mm〜25mmの小口径
  • ポンプからの吐出排水の垂直揚程能力3m〜10m
  • ステンレスの高速回転刃で排泄物・トイレットペーパーを完全粉砕
  • ポンプと吐出排水管の接続は付属ジョイントで簡単接続

※サニーキュービック2クラシックは40mm

SFAポンプの動作原理

トイレの排水が流れ込み、槽内の水位が上昇することでモーターが起動します。

時間内にモーター上部の回転刃が、汚物・トイレットペーパー(水溶性)を3〜4秒で粉砕・細粒化します。

細粒化された汚水はいったん槽下層へ滞留し、モーター下部のインペラより誘導され、吐出管より圧送されます。

汚水吐出後、槽内の水位が下がることによってモーターは自動停止します。

排水圧送ポンプの選定

水廻りの問題を解決、正しい製品を選びましょう

製品情報

サニアクセス3は、薄型設計・省スペース仕様です。また万が一の修理・点検時には、吐出排水管を外すことなくメンテナンスできる構造を採用しています。まさに「トイレ増設、超かんたん!」が実現できるポンプです。

サニスピードプラスは、雑排水専用の大容量ポンプです。
手洗器・キッチン・ユニットシャワーの排水など、家庭用・商業施設を問わずにご使用できます。
冷蔵ショーケースのドレンポンプアップにもお使い頂けます。

SFAについて

65年の歴史とともに、全世界で累計1000万台以上の排水圧送ポンプの実績を有する、衛生機器分野で世界をリードするフランス発祥のトップ メーカーです。
バッキンガム宮殿やヨーロッパ最古のカフェ、日本では東京ミッドタウンなど、世界中の様々な建物・施設に採用されています。
SFAの歴史のスタートは1958年。下水処理施設用機械の設計から始まりました。
その後、トイレ用粉砕機の発明により、衛生機器市場に改革をもたらしました。

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